1. なぜ今「ハイゼット車中泊」なのか
車中泊といえばミニバンや軽バンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし近年、あえてハイゼット(トラック・カーゴ)で車中泊を楽しむ人が増えています。
その理由は単純で、「軽自動車の中でも圧倒的に自由度が高い」からです。
ハイゼットは元々、仕事で使うことを前提に設計された車です。無駄な装飾がなく、四角く、頑丈。その結果、自分好みに作り込める余白が大きく、車中泊との相性が非常に良いのです。
2. ハイゼット車中泊の最大の強みは「箱型構造」
2-1. 荷室・荷台が完全なフラット空間
ハイゼットカーゴの最大の魅力は、天井が高く、床がほぼフラットな箱型構造です。
リアシートを倒せば、すぐに長方形の空間が現れます。
- 無理な段差が少ない
- 壁が垂直でデッドスペースが出にくい
- マットやベッドキットを置きやすい
これは、乗用車ベースの軽バンではなかなか得られないメリットです。
2-2. ハイゼットトラックという選択肢
一方で、ハイゼットトラックの荷台車中泊という楽しみ方もあります。
- 荷台に自作シェルやキャンパーキットを載せる
- テントや簡易ボックスを設置
- 完全に「動く秘密基地」を作れる
法律や安全面への配慮は必要ですが、カスタム自由度は軽自動車トップクラスです。
3. ハイゼットならではの車中泊向き機能
3-1. 小回り性能=旅の自由度
ハイゼットは最小回転半径が小さく、狭い道や林道でも扱いやすい車です。
- 山間部のキャンプ場
- 漁港や港町
- 道の駅の狭い駐車スペース
こうした場所でもストレスなく入っていけるため、「泊まれる場所の選択肢」が広がるのが大きな強みです。
3-2. 4WD設定が活きる車中泊
ハイゼットの4WDモデルは、車中泊との相性が非常に良いです。
- 雪道での道の駅泊
- 雨上がりの未舗装路
- 河原や草地での仮眠
「行ける場所=泊まれる場所」になるため、旅の自由度が一段階上がります。
4. ハイゼット車中泊のレイアウト例
4-1. シンプル仮眠スタイル
最も手軽なのがこのスタイルです。
- 折りたたみマット
- 寝袋
- 最低限の収納ボックス
平日は仕事車、週末はそのまま車中泊という使い方も可能で、ハイゼットの実用性を一切損なわないのが魅力です。
4-2. ベッド常設スタイル
荷室に木枠ベッドを組み、下を収納スペースにする方法です。
- 上段:就寝スペース
- 下段:工具・アウトドア用品・食料
仕事と遊びを両立させたい人に非常に人気があります。
4-3. トラック荷台キャンパー
ハイゼットトラックならではの楽しみ方です。
- 軽量キャンパーシェル
- 木製ボックス+断熱
- 必要最低限の電源と照明
完成度次第では、市販の軽キャンパー以上の満足感が得られます。
5. 燃費と車中泊の相性
ハイゼットは車中泊向けの車としては燃費が良い部類に入ります。
- 郊外走行:13〜16km/L前後
- 長距離移動でも給油回数が少ない
- 維持費が安く、旅のコストを抑えられる
「移動費が安い=気軽に出かけられる」という点も、ハイゼット車中泊が続けやすい理由です。
6. ハイゼット車中泊で気をつけたいポイント
6-1. 断熱・結露対策は必須
鉄板むき出しの構造ゆえ、
- 夏は暑い
- 冬は冷える
- 結露しやすい
という特徴があります。
- 断熱マット
- 銀マット
- 窓の目隠し兼断熱
これだけでも快適性は大きく変わります。
6-2. エンジン音と振動
仕事車ベースのため、静粛性は高くありません。
ただしこれは裏を返せば、構造がシンプルで壊れにくいということでもあります。
7. ハイゼット車中泊の楽しみ方は「作ること」そのもの
ハイゼットでの車中泊は、完成形が最初から用意されていません。
- 何を積むか
- どう寝るか
- どこまで快適にするか
これを考え、少しずつ改良していく過程こそが最大の楽しみです。
既製品のキャンピングカーとは違い、自分の生活と旅に合わせて育てていける。
それがハイゼット車中泊の本質と言えます。
8. まとめ:ハイゼットは「旅に使える仕事車」
ハイゼットは、
- 車中泊専用車ではない
- 豪華な装備もない
それでも、
- 箱型構造
- 圧倒的な自由度
- 維持費の安さ
- どこへでも行ける安心感
これらが揃うことで、結果的に車中泊に非常に向いた一台になっています。
仕事車として日常を支え、週末はそのまま旅に出る。
ハイゼットは、そんな「境界線のない使い方」ができる、数少ない軽自動車です。
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