N-BOXの故障を放置した結果…不動車になった悲劇と修理費用のリアル

 今日は、ホンダ・N-BOXの故障事例の中でも、特に印象に残っている“放置によって不動車になってしまった”ケースを紹介します。最近は「エンジンの調子が少し悪いけど、まだ走るから大丈夫」と思っている方も多いのですが、その油断が大きな出費につながることもあります。
今回のお話は、そんな「少しの異変を見逃してしまった」一人のオーナーさんの実例です。

最初の違和感はアイドリング時のわずかな揺れだった

このN-BOXのオーナーさんは40代の男性。
普段から通勤やお子さんの送り迎えに使っており、走行距離は約9万km。年式は平成27年式のターボモデルでした。

最初に感じた異変は、信号待ちのときの「エンジンの揺れ」。
アイドリング中にハンドルがブルブルと震え、時々「ストン」とエンジン回転が落ち込むことがあったそうです。しかし、そのときは「軽自動車だしこんなものかな」と思って放置。
オイル交換も半年以上していなかったようです。

ある日突然、エンジンがかからなくなった

その後1か月ほど経ったある朝、いつものように出勤しようとエンジンをかけると、
「キュルキュル…」という音はするものの、エンジンが始動しない

バッテリーを交換しても変わらず。
JAFを呼んでレッカー移動、当店に入庫したときには、すでに完全な不動車状態になっていました。

エンジンを開けて確認すると、予想以上に深刻な状態でした。

整備士が見た“放置のツケ”*原因はエンジン内部の焼き付き

点火系や燃料系を一通り点検しましたが、圧縮がほとんどありません。
シリンダー内部を点検したところ、オイル管理の不良によるピストンリングの焼き付きが判明しました。

つまり、

  • オイル交換を長期間怠った
  • アイドリングの不調を放置して走り続けた
    その結果、エンジン内部で潤滑不良が起き、金属同士が削れてしまったのです。

オイルゲージを確認したところ、なんとオイル量は“ほぼ空”。
ドライエンジンのような状態で走り続けていたようでした。

修理費用はまさかの40万円超*エンジン交換しか選択肢なし

このように内部まで損傷してしまうと、修理ではなくエンジン載せ替えしか手段がありません。

見積もりを出したところ、

  • リビルトエンジン代:約250,000円
  • 工賃・補器交換など含め:約150,000円
    合計で約40万円

軽自動車の修理としては高額です。

オーナーさんもさすがに驚かれ、
「もう少し早く見てもらえばよかった…」と後悔されていました。結局、この方は修理をやめて新しい車に買い替える決断をされました。

「まだ動く」は危険信号*N-BOXでよくある放置トラブル

N-BOXは軽自動車の中でも人気が高く、装備も快適ですが、その分電子制御やターボ機構が繊細です。
特に放置しがちなトラブルは以下の3つ。

① アイドリング不調を放置 → エンジン焼き付き

イグニッションコイル・プラグの不具合やオイル劣化が原因で、燃焼が不安定になります。
症状を放っておくと、内部損傷まで進行します。

② エンジン警告灯の点灯 → 故障のサイン

「一瞬だけついたから大丈夫」と思っても、記録はECUに残っています。
早めの診断なら1万円程度で済むこともありますが、放置すれば数十万円の出費に。

③ オイル漏れ・オイル減り → 放置で焼き付き

特に走行8万kmを超えると、ガスケットやパッキンの劣化でオイルが滲むことがあります。
補充や交換を怠ると、今回のように致命的な損傷につながります。

 修理よりも買い替えた方が“得”なケースとは?

整備士の立場から見ても、すべての故障を「直す」ことが正解ではありません。
今回のようにエンジンが焼き付いてしまった場合、修理費が車両価格の半分以上に達します。

そのときは、思い切って買い替えを検討する方が結果的にお得です。

たとえば、最近のN-BOX(新型)は、

  • 燃費性能の向上
  • 安全装備「Honda SENSING」の全車標準化
  • 静粛性・乗り心地の進化
    などが大幅にアップしています。

維持費を含めて考えると、新しい車に乗り換えたほうがトータルコストが安いことも多いです。

整備士からのアドバイス*小さな違和感こそ「SOS」

どんな車も、突然壊れることはほとんどありません。
その前に必ず“サイン”が出ています。

  • アイドリングが不安定
  • エンジン音が以前よりうるさい
  • オイルの減りが早い
  • メーターに警告灯がつく

こうした初期症状の段階で点検すれば、1万円前後で直せることも珍しくありません。
しかし、放置すれば10倍以上の出費になることもあります。「気のせいかな?」と思ったら、まずは整備工場に相談してください。
その一歩が、次の10年を安心して走るための第一歩になります。

長くN-BOXに乗りたいなら今からできること

「次の車検まではなんとか…」と考える方も多いですが、N-BOXを長く大切に乗るためには、
“壊れてから直す”ではなく“壊れる前に守る”という意識が大切です。

ここでは、整備士としておすすめしたい具体的なポイントを紹介します。

① オイル交換は距離だけでなく期間でも判断

N-BOXのエンジンは高回転型で、熱に弱い特性があります。
走行距離が短くても、半年に一度はオイル交換を行いましょう。
オイルの粘度や酸化は、走っていなくても時間とともに劣化します。

② エンジン音・振動の変化を見逃さない

普段乗っていると、わずかな変化ほど気づきにくいもの。
「いつもより静か」「加速が重い」などの違和感は、車からの小さなSOSです。
早めに点検すれば、1万円程度の修理で済むことも多いです。

③ 定期的に整備士の目でチェックしてもらう

点検は“安心のための保険”です。
DIYでは見えないオイル滲みやベルトの劣化、電装系の不具合も、
プロの目なら早期に発見できます。

年1回の点検を習慣にすれば、10年・15万km乗ってもまだまだ元気なN-BOXでいられます。

まとめ*放置の代償は高くつく。次の一手は“買い替え”という選択肢も

今回のN-BOXの事例は、「少しの異変を放置したこと」が原因でエンジンを壊してしまったケースです。
修理には40万円以上かかり、結果的に買い替えとなりました。

同じような症状が出ている方は、
「まだ走るから大丈夫」と思わず、早めに点検を受けてください。そして、もし修理費が高額になりそうなら、買い替えという選択肢も前向きに検討してみましょう。
今の車を無理に直すより、新しい車で快適に走る方が結果的に満足度も高くなります。

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